レキシントンの幽霊

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

松山へ一人旅に行ったときに移動中の路面電車や、ビアレストランや、カフェや、フェリーで読んだ。

短編集は小旅行に適している。少なからず外の情景に頭の中を持って行かれるので、長編小説だと意識の途切れが逆に疲れる。旅行に行って本読むよりか周りの景色でも見れば良いのにと思う人もいるかもしれないが、いつも外に目を向けているのも少々疲れる体質でもあるのだ。しかし、そうかといって常に本を読んでいるのもどうかなと思う。まあそこらあたりは適当に。

そもそも形式を問わず、個人の旅行を定義するならば、物理的な現象と脳内の実写なのである。考えているところは同じであり、僕はいささか活字中毒気味なので何かに没頭する自分が旅の中に佇んでいるのも好きでもある。