ペットを飼うことについて
僕は犬が苦手である。
明確に思い出せないが、子供の頃の記憶として、犬は危険だという認識の根は深い。
人はなぜペットを飼うのだろうか?当たり前だが、環境によってそうせざるを得なくなった一部の動物を除けば、動物はわざわざ他の動物の子を飼ったりしない。
幸いに子供を授かった人は、人の子を育てる。語弊を恐れずに言うと、自分の子を育てるのにめ一杯で他に世話する動物は必要ないのではないかと思う。昨今は共働きの家庭が多い。日中留守にしている時に、愛するペットは独りぼっちだ。寂しくないようにTVをつけているとか対処の仕方は様々あるだろうけれど。
僕が思いつく犬を代表とするペットを飼うことのメリットとして
・優しい気持ちを持つことができる。
・命のぬくもりや鑑賞対象としての視覚効果で癒される
・ファッション感覚としての所有欲を良くも悪くも満たす。
・散歩できる動物なら運動できる
メリットはいろいろあるだろうが、僕はほとんどペットを飼ったことが無いのでこのくらいで。
子供から犬を飼いたいと言われたら、メリット・デメリットを理解させようと努力はするが基本的にはNOと言うだろう。
・小学生くらいでは、宿題・遊び・習い事など時間的拘束があるので犬の世話は困難。
・日々の食事代と病気になると医療費、もちろん死ぬと当然埋葬費用がかかる。
・動物を飼うことは命を買うことでもあり、ビジネスとしての領域が何だか納得できない。
なぜ、こんなしょうもないことを考えたかと言うと、冬の早朝ジョギングでは、周辺はうす暗くて、路上に対向に1匹の犬がいたりすると余計な気を回さなくてならない。
首輪をしていない野犬ならそれはそれで怖いし、首輪をしている飼い犬なら、なぜおまえはこんなところにいるのかと。
僕は犬のことを信用していないので、犬もまた僕のことを信用してはいないだろう。
僕は静かに立ち去りたいだけなのだ。吠えて威圧をかけたりするなよ。
この平和的な想いは、犬の君に伝わるのだろうか?僕は君を襲いたくて走って近づいているわけではないのだ。
けん制し合いながら、僕は反時計周りに距離を取りつつ近づく。犬も同じ方向へ体をよじらせ警戒しながら僕を見つめる。
静かに両者が交わり、風が流れるようにすれ違う。すぐに僕は後ろを振り向く。犬は表情を変えずにこちらを見ている。
よしよし、そのままそこにいなさい。
と思った瞬間、ワンワン吠えて走り出す態勢を整える犬。そこから僕は猛ダッシュ。
僕の交感神経が暴れ出し全身いわゆる鳥肌だ。アニメの臀部を噛みつかれるシーンが頭をよぎる。
50mほどダッシュすると犬はあきらめてどこかへ行った。
静粛の朝のジョギングなのに、息が乱れた僕は、インタバルトレーニングしているわけではないのだと犬の君へ伝えたい。